東南アジアの採用事情ってどうなっているの?海外の採用について調べてみました

小野 執筆者: 小野 on 19/11/01 9:00 |

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東南アジアの採用事情についてご存知ですか?

みなさんこんにちは!株式会社ダイレクトソーシングの小野です。

1回目はアメリカの採用事情について、2回目は中国の採用事情について、そして3回目はEUの採用事情について調査した結果をご紹介しました。

 

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アメリカ、中国、EUときて次はどこか。

実は今回が海外の採用を調べてみる最終回。

経済大国アメリカと中国、そして国ごとでは規模が小さくても1つにまとまれば大きな規模となるEUについて調べて皆さんにご紹介しました。

(中国は先進国だ後進国だで論争がありそうですが、)今まで見てきた国や地域はいわゆる先進国が中心でした。

では後進国での採用はどのようなものなのでしょうか。

そこで今回は日本の近場であり、最近では旅行、語学留学、オフショア、移住等で注目されている東南アジアの採用事情について調べてみたいと思います。

 

1.東南アジアはどこからどこまで?

まずは東南アジアはどこからどこまでを含むのかについておさらいしておきましょう。

アジアは広く、国も色々あるので、中々どこの国がどこにあって、東アジアなのか、東南アジアなのか、南アジアなのか、西アジアなのか、と分からなくなることもあるでしょう。

東南アジアに属する国は次の11カ国です。

ブルネイ、カンボジア、インドネシア、ラオス、マレーシア、ミャンマー、フィリピン、シンガポール、タイ、東ティモール、ベトナム

 

日本に比較的近い国々が多いので、旅行に行ったことがある、語学留学に行ったことがある、という方も多いのではないでしょうか。

しかし行ったことのない人からすると、どの国がどんな国なのか、分からない方もいると思いますので、それぞれの国を簡単に説明しておきましょう。

 

▼ブルネイ

公用語はマレー語であるが、実際に日常で話されるのはブルネイ・マレー語。イギリスの自治領だったこともあり、英語も広く使用される。

国民はマレー系が多くを占め、そのほか中国系や先住系諸民族、その他の民族が暮らしている。

イスラム教が国教。

石油や天然ガスの輸出により経済は非常に潤っており、社会福祉が充実し、個人に対する所得税や住民税が課されていない。今後、石油資源が枯渇することに備え、国外への投資を積極的に行っている。

 

▼カンボジア

9割の国民がクメール語(カンボジア語)を話すクメール人(カンボジア人)。フランス領だった過去からフランス語が通じる人も一部存在する。

上座部仏教が国教と定められているが、信教の自由が保障されているためその他の宗教を信仰する国民も存在する。

第一次産業が主だが、観光や縫製産業が成長しているため、外国からの投資も伸びている。

しかし貧困層はまだまだ多く、国際連合による基準では後発開発途上国とされている。

クメール王朝の遺跡であるアンコール・ワットが有名。

 

▼インドネシア

大小様々な島々から成る国家であり、多民族国家であるため言語や宗教も多様だが、世界最大のムスリム(イスラム教信者)人口を有する国で多くはイスラム教徒である。

インドネシア語が公用語。

国民の半数が貧困層と推定されており、基本的に農業国であるが、鉱業資源やLNG(液化天然ガス)の輸出も行っており、軽工業や食品工業、織物、石油精製が盛んなことから日本などの海外企業が多数進出している。

デヴィ夫人の夫であるスカルノ大統領がインドネシアの初代大統領。

 

▼ラオス

海に面していない内陸国で、国土の半数以上が高原や山岳地帯。

最も多い民族はラーオ族で、公用語もラーオ語。ただし過去にフランス領であったことから、高齢層でかつエリート層はフランス語も話す。

宗教は上座部仏教が半数以上、その他アニミズムやキリスト教などを信仰する国民も存在する。

農業が主要産業であり、半数以上が貧困層とされ、国際連合による基準では後発開発途上国とされている。鉱床が多く見つかっているが、険しい山脈や未整備な交通インフラのために生産量は伸ばしづらく、また海に面していないため物流の面で製造業を伸ばしづらいという課題を抱えている。最近は観光業に力を入れている。

 

▼マレーシア

海のシルクロードと呼ばれ、中世には様々な国々から貿易商品が訪れた地域である。そのため民族構成が極めて複雑な多民族国家であり、人口比ではマレー系、華人系、インド系の順に多い。言語も民族によって異なるが、1967年まではイギリス領であったことから英語が公用語、その後はマレー語もしくはマレーシア語とされている。

国教はイスラム教だが、多民族国家であるため、その他にも仏教やヒンドゥー教、キリスト教を信仰するものもいる。

中進国クラスの経済力を持ち、ゴムのプランテーションやスズの採掘、天然ガス、特定の農作物や鉱物の生産が盛ん。日本を手本に工業化と経済成長を達成したことで、シンガポールと共に「東南アジアの優等生」と呼ばれるが、民族間での貧富の差が大きい。

 

▼ミャンマー

人口の半数以上をビルマ族が占め、ビルマ語が公用語。その他の民族も存在し、それぞれが違う言語を使う多民族国家である。

人口の9割が仏教徒とされているが、近年ムスリムのロヒンギャと仏教徒との対立が激化しており、ミャンマー国軍によるイスラム教徒の虐殺、民族浄化が進んでいるため、ロヒンギャ問題として国際的な批判が起こっている。

国連の基準では後発開発途上国であり、米の生産が盛ん。世界のルビーの9割を算出しており、その他宝石の質も高い。また観光業にも力を入れている。しかし労働環境の悪さや前述のロヒンギャ問題などから国際的な批判があり、経済面での支障となっている。

国家顧問はアウンサンスーチー。

 

▼フィリピン

マレー系を始めとする多民族国家。主要民族はタガログ族でタガログ語を話す。公用語は英語とタガログ語を標準化したフィリピン語であり、タガログ語と英語が合わさったタグリッシュも使用されている。

スペイン領であった過去からキリスト教国であり、9割以上がキリスト教徒である。

農業、鉱業、工業なども盛んであるが、社会情勢の影響で不安定になったり伸び悩んだりする課題も抱えている。一方サービス業は観光業とならび、今後最も成長するであろうサービスとされており、英語が公用語であるためコールセンター業や語学留学先として有名。また、中東地域などに出稼ぎにでるフィリピン人も多く、彼ら彼女らからの仕送り額も国内の生活を支えている。

観光や語学留学で日本でも有名なセブ島はフィリピン領。

 

▼シンガポール

多くの国際順位で格付けされている国であり、すべての主要な格付け機関からAAAソブリン格付けを持つ、アジアで唯一の国。教育、医療、平均余命、生活の質、個人の安全、住宅などの主要な社会的指標が高く見られている。

華人、マレー系、インド系、その他の民族からなる複合民族国家であり、公用語は英語、マレー語、英語、タミル語である。シンガポールで話される英語は独特な発音や用法により、シングリッシュと呼ばれる。

宗教も多彩で仏教、道教、イスラム教、キリスト教、ヒンドゥー教などを信仰している。

世界屈指のグローバル都市であり、海運産業や航空産業が発達しており、東南アジア最大級の工業国である。IT産業や観光業にも力を入れている。2015年の勤労者世帯の平均世帯月収が東京のそれと比較して大きく上回っている。

マーライオンやマリーナベイ・サンズ、チューインガムの製造や販売、所持や使用、輸出入が禁止されていることなどが、日本でも有名。

 

▼タイ

タイ族が最も多くを占め、その他華人、マレー系、インド系、モン族、カレン族などが暮らす。主な言語はタイ語、北タイ語、南タイ語、など様々ある。

9割以上が仏教徒で、その他イスラム教、キリスト教などを信仰している。

東南アジアではインドネシアに次ぐ経済規模で、一人あたりのGDPは隣国のカンボジア、ラオス、ミャンマーと比較してはるかに高い。農産物の輸出や観光業で成功している。

国際的なリゾート地としてプーケットが有名。

 

▼東ティモール

大部分がメラネシア人で、その他に華人やインド系などの民族が暮らしている。テトゥン語とポルトガル語が公用語であるが、インドネシア統治期の影響でインドネシア語を使う世代も存在する。

ポルトガル領であった過去からキリスト教徒が99%を占める。

貧困層が国民の過半数を占めると推定されており、国際連合の基準により後発開発途上国と分類されている。石油収入に大きく依存しており、その他に米やとうもろこし、コーヒー豆などの生産が盛ん。

 

▼ベトナム

ベトナムは多民族国家であり、公式に認められている民族が54存在する。最も多いのがキン族(ベトナム族)であり、全人口の8~9割を占める。公用語はベトナム語だが、フランス領だったこともありフランス語を理解するエリート層や高齢者も存在する。

宗教は仏教が大半を占めるが、その他にも道教、規律祖教、イスラム教、ヒンドゥー教など様々な宗教が信仰されている。

国民の半数以上が第一次産業に従事しているが、最近では第二、第三次産業が急成長している。観光業の成長が著しく、また人件費が低いことから海外の工場誘致にも力を入れている。

 

2.東南アジアの採用活動の特徴

以前の海外の採用事情を調べてみた記事のように、特徴をいくつか紹介できればいいのですが、前述したように東南アジアの国々は経済状況も民族も言語も様々で、「東南アジアだからこれ」と一概には言えません。

強いて言えば、貧富の差、生まれによって仕事や働く環境が大きく異なるということです。

中進国や後進国の集まる地域ではどうしてもそうなってしまうのでしょう。

国民の多くが農業に従事する国もあります。

一方で経済的に恵まれていて、外資系企業も多く存在するような国では、先進国と似たような採用活動が行われています。

能力や学歴などが重視されますので、一度それらを持った層のコミュニティに入ることができれば、そのネットワークの中で職や人材を探すことができます。

 

3.LinkedIn(リンクトイン)、東南アジアでは?

LinkedIn(リンクトイン)は、東南アジアの中ではインドネシア、フィリピン、マレーシア、シンガポールなどでは使用されています。

ユーザー数はインドネシアが1,100万、フィリピンが600万、マレーシアが400万、シンガポールが200万です。

フィリピン、マレーシア、シンガポールは東南アジアの中でも比較的裕福であり、英語を話す人口も多いことから、優秀層・ハイキャリア層をターゲットとするLinkedIn(リンクトイン)のユーザーが多いのもうなずけます。

インドネシアについては国民の半数が貧困層といわれているものの、東南アジアの中でも人口が多いため、裕福な暮らしをしている層でLinkedIn(リンクトイン)が利用されていると考えられます。

人口に対するLinkedIn(リンクトイン)ユーザーの割合はそれぞれ、インドネシア4.2%、フィリピン5.7%、マレーシア12.7%、シンガポール35.7%ですから、やはり裕福な層においてLinkedIn(リンクトイン)が浸透していると推測できます。

また東南アジアで十分な教育を受け、言語スキルや学歴の面が優れている人材を採用したいのであれば、LinkedIn(リンクトイン)を使えばアプローチしやすいといえます。

今後、東南アジアの各国が豊かになっていけばLinkedIn(リンクトイン)のユーザー数も増えていくでしょうが、格差があり続けるのであれば富裕層の中での利用に留まるかもしれませんね。

 

4.東南アジアの採用事情から見えてくること

やはり教育の機会やスキル習得の機会を考えると、企業が採用したいより優秀な人材は富裕層に偏ると考えられます。

東南アジアほどの格差や貧困と比べれば日本は全体的に豊かな国ですが、格差が広がったり、経済規模が縮小したりすればどうなるかはわかりません。

採用ツールによって接触できる層に違いが生じれば生じるほど、企業の人事・採用担当者にとって採用ツールの選択が重要になるでしょう。

今後、より優秀層に特化した採用ツールも誕生するかもしれません。

 

今回までで全4回、海外の採用事情について調べてみました。

年々状況が変わっていくと思いますので、今後も海外の採用についてチェックしていくことをおすすめします。

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